深層シンリ×ハンター

思いつきとハンターハンターについて書くブログ

SDGsと言う勿れ

SDGsという言葉が、今世の中に多く出回っている。スーツの襟に丸くて放射状のカラフルなマークを付けているビジネスマン人を見ることも多いだろう。

自分も、SDGsについてかじっている身なので、少しその話をしたい。

 

「持続可能な開発目標」とか「国連の定めた持続可能な世界のための17の目標」などと言われたりするが、Sustainable Development Goalsの略でSDGsである。

この言葉、3, 4年前からビジネス、あるいはテレビなどでも多く出てきて、「目標Xの○○に貢献する」などと説明されつつ、社会に貢献すること、あるいは自然環境への負荷を減らしたもの、などが紹介されることが多い。

また「よく分からないけど、なんとなく書かれている17の言葉に沿ったことをやるのが良くて、社会的にプラスになることがSDGs」、と捉えられている節もある。

 

しかし、SDGsは何となくやってそれをPRする類のものではない。"2030年までに"、17のテーマに沿った"課題を解決する"、という、国連が発信する"世界レベル"の取組みであり、これらは明確な目的と、可能な限り定量的な指標が必要なものである。

2030年までにそれぞれの課題に具体的な成果を出そう、というボーダレスの取組みのはずなのに、日本のごく一部で何か小さいことをやって、それがこのゴールに合致している、というこじ付けが多い。先進国は、主に地球環境問題を意識すべきで、関わる人も企業もまずは”持続可能”の意味を考えるところから始めるべき。(日本はジェンダー平等もできてないけど)

 

この言葉や概念が2015年にできた15年先を見据えたものであること(:時間的にはもう半分経過している)、17のゴールの中にさらに具体的な169のターゲット(個別目標)があることを知る人は少ない。また、日本で17のゴールのうち何が十分・良い方向性で、反対に何が未達で遅れているかを知る人も少ない。

例えば、4番目の「教育」に関するテーマは、日本では概ね満たされていて、義務教育や最低限の知識が身に着けられない途上国などの国がメインの課題であるが、国内の何らかの活動が「目標4に貢献する○○」、という話も出てきている。某、奨学金という名の学生ローンとか。

日本の就学率、識字率は十分高く、国内で何か小さいことをやっていても、それは違う、という話である。また、コンビニなんか17の目標に貢献するどころか、反することを沢山している。大量生産・大量消費によるエネルギーの浪費&ゴミ排出に、無理やりの24時間営業・長時間労働

 

このように、適当なラベリングをされていることが多いのだけど、正直、そのレベルの人がSDGsという言葉を口にするのが嫌い。「持続可能な社会構築のための2030年までの目標」という趣旨をどれだけ認識しているのか、と。

 

2030年までにその取り組みが不充分であれば、極端な話、社会は発展せず、人類は行き詰まりますよ、というところなんだけど、中途半端な取組や、そんなに重要でないゴールを持ち出している、なんちゃってSDGs、エセDGsが日本では多すぎる。イメージ先行で「エコ」「地球にやさしい」「CSR」という言葉が次々とあふれる国だから仕方ないのかな、とも思うけど。

日本企業もSDGsに本気なところは少なくて、これらのロゴを並べとけばイメージが上がるだろう、というところがホント多い。せめて2030年までのビジョンを出してほしい。

 

SDGsは突き詰めたら、資本主義の否定なんじゃないかと思うところもあるけど、今日はまとまらなくなるのでここで止めておきます。

何が言いたかったかということでは、2030年の社会について、今の延長線だとどう(悪く)なるか・改善するために今何をすべきかを考えないと、SDGsとは言えない、ということを主張しておきます。

 

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SDGsの17のロゴ・テーマ(英語)